Polio Eradication News==============
ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第47号 2024.5.15
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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
ポリオ根絶についてのHPを見ると、インドでのポリオ
根絶宣言が成されてから10年経ったという記事が目に
つきました。
ポリオフリーのインド:実現するまでは不可能に思えたこと | End Polio
With your help, we can end polio for good.
2014年にインドがポリオ根絶宣言をした時に私が感じた
ことは、あのインドで根絶できるなら、ポリオ常在国
であるアフガニスタン、パキスタン、ナイジェリア
(現在は根絶されています)で根絶できないはずがない
ということでした。
残念ながら、10年経った今も世界中から野生型ポリオが
根絶されていません。
しかし、その数は1桁に近づいています。
私がインドでのポリオワクチン投与活動に初めて参加
したのは、2014年2月でした。
国際ロータリー第2830地区(青森)のパストガバナー
でもある関場先生が、2001年以来毎年のように、日本
各地から集まった40人ほどのロータリーメンバーと
一緒に、スラム街に近い貧困地域へ行き、ワクチン投与
活動を行ったので、現地で飛び入り参加したのです。
当時インドでパンの製造販売をしていましたので、裕福
なインド人の子どもたちはお店に来ていましたが、
貧困層の子どもたちには会ったことがなく、いい機会
と思い参加しました。
しかし、何日もお風呂に入っていない子が大半でスラム
の臭いなど、日頃体験していないインドがそこにあり
ました。
その子どもたちに経口ワクチンを数滴飲ませるのに、
最初は彼らの臭いや汚れに躊躇していましたが、活動
しているうちに子どもたちを引き寄せ抱き寄せている
自分がいました。
貧しいことを悲観している者は1人もなく、だた現状の
環境を楽しんでいて、日本人を見たことがない子どもたち
は目をキラキラさせて私たちに興味津々に接してくる。
カメラを向ければあどけない笑顔をしてくれた、この子
たちを守りたい。
あの時の体験が、ポリオ根絶へのコミットメントとして
私を駆り立てています。
「(ポリオ根絶宣言が世界全体でされるには、)政界の
リーダーからメディア、寄付者地域社会に至るまで、
すべての人がポリオ根絶に向けて一致団結することです。
(中略)私たちは再び不可能を可能にする機会を迎えて
います。」と前述の記事に書いてあります。
ポリオ根絶への道に正解はなく、臨機応変に活動を修正
できる機敏さが求められます。
政府と、地域社会と、実際に活動するポリオワーカーが、
ポリオのない世界を実現するという共通のビジョンに
向け活動したからこそ、インドでのポリオ根絶宣言に
至りました。
同じように、パキスタンとアフガニスタンにおいて根絶
宣言をするには解決すべき問題は山積みです。
逆に言えば、インドをいい例として、それぞれの国に
合わせた官民一貫したワクチン投与のネットワークと
サーベイランス(監視)体制を構築できれば、インドの
ようにポリオ野生株の根絶が可能なのです。
今こそロータリーの寄付を活かして、野生型ポリオ
ウィルスの根絶を成すまたとない機会です。
ポリオ根絶という究極のコミットメントを果たすべく、
最後の一押しを共にやっていきましょう!
ポリオ根絶宣言する日は、すぐそこまで来ています。
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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。
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《問題》
近年のアフリカ地域では、携帯電話でのマッピング分析
が欠かせません。このシステムの初期的な技術は
ナイジェリアから始まり、ポリオフリーへの証明となり
ました。では、ナイジェリアでは、いつから始まったの
でしょうか?
A. 2008年
B. 2012年
C .2020年
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《答え》
正解はB .2012年です。8年後の2020年にナイジェリア
でポリオ根絶宣言がされました。
現在でも、アフリカ地域で積極的に利用されています。
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【ポリオ罹患者数】
2024年5月7日現在の野生株のポリオ罹患者状況は
以下の通りです。
パキスタン 2名
アフガニスタン 2名
モザンピーク 0名
合 計 4名
5月7日現在、ポリオ罹患者数は4名です。
この1ヶ月で罹患者が1人増えました。引き続き監視と
ワクチン投与活動を継続していくことで、これ以上
罹患者を出さないことが重要です。
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【編集後記】
ポリオプラス通信を読んで頂き、ありがとうございます。
先日インドにあるロータリー・スキル・センターへ行って
来ました。
こちらはインドでのポリオワクチン投与活動をコーディ
ネートしているロケシュさんが所属するデリー・サウス・
ウェストロータリークラブが設立した財団が運営して
います。
このセンターでは恵まれない生徒たちがパソコンの操作が
できるコースがあり、今後女子生徒が裁縫や美容品を
扱えるコースも設置されるそうです。
ロータリーの事業は補助金を利用して行うことが多い
ですが、このセンターは独自の財団を2017年に設立し、
既に人工透析の機械を病院に寄贈しているそうです。
10代の若者たちが中心で、パソコンなどのスキルを持つ
ことで、より良い会社に就職することができるように
なります。
インドでは、教育を受けられない子どもたちが何千万人
といます。
またカーストで職業が決まってしまうので、なかなか
他の仕事に就くことが難しい国でもあります。
そういった中で、パソコンのスキルがあれば、より給料
の高い職種に就くことができます。
特にインドでは、女性は結婚して家事をするものだという
考えが強く、女性の仕事自体が多くありません。
裁縫など手に職を持てば、より条件の良いところで働く
ことができ、結婚して子どもを持っても働くことができる
かもしれない。
そんな未来も見えてきます。
彼らが受けている授業を見ると、熱心にパソコンと向き
合っています。時には先生がみんなを集めてパソコンの
画面を見ながら講義しています。
この生徒たちがより良い会社で働けることを心から
願わずにいられません。
私がセンターを訪れた時、わざわざ授業を止め生徒全員
が集まり、歓迎のお祈りをした後に心を込めて手作り
したと思われる手紙とプレゼントを頂きました。
最後に撮った笑顔のみんなの集合写真を見ると、彼らの
喜びが伝わってきます。
寄付した私たちの方が、大きな歓びと沢山の恩恵を受け
ている。
彼らと接することで、こちらの心が洗われた体験でした。
次にまた訪れる時、どんな生徒たちに会えるか今から
楽しみです。
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最後に・・・
このメールマガジンが、ポリオ根絶を成し遂げる情報共有の
場ともなるよう、読者の皆さんとともに歩んでいきたいと
思います。
ぜひ皆さんのご意見・ご感想をお聞かせください。
また、お知り合いの方たちへもこのメールマガジンをご紹介
頂けたら幸いです。
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Article of ポリオプラス通信. 国際ロータリー第2750地区 Rotary International District 2750
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