Polio Eradication News===============

ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第55号 2025.1.15

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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。

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皆さん、あけましておめでとうございます。
2025年が始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私はクリスマス後にインフルエンザに罹り、年始の挨拶
もままならず静かなお正月を迎えました。
今年はインフルエンザが猛威を奮っていますので、お身体
をご自愛ください。

さて、昨年1年間の野生型のポリオ罹患者数を見てみると、
アフガニスタン25名、パキスタン68名で合計93名でした。
2023年はそれぞれ6名ずつの合計12名でしたので、アフ
ガニスタンは4倍、パキスタンは11倍に増えています。

この理由はさまざま言われていますが、コロナ禍が終わり、
人流が本格的に動き出したこと、そしてワクチン接種の
重要性について周知されておらず、ワクチン投与について
悪意のある誤解を招いているのではないかと思われます。

前回のポリオプラス通信でも書きましたが、昨年12月に
パキスタンへポリオワクチン投与活動に行って来た益田
西RCの松本祐二パストガバナーの話が印象的でした。
(https://rid2750.org/news/ポリオプラス通信-第54号/)

本格的に人流が動いているため、ワクチン接種率が高く
ない山岳地帯にいる家族が出稼ぎに都市部に移ってくる
過程で、ポリオ発症数が増えていると考えられます。

松本先生は、パキスタン近郊駅でポリオワクチン投与
活動をすると、拒絶する親が多いと嘆いていました。
これも接種率が上がらない要因のように思います。

インドがポリオウィルスを根絶した原因の一つは、NID
(ポリオワクチン一斉投与日)の存在があります。

インドでは、年4回ほど一斉投与日を定め、インド全土
でワクチン投与することで、国民にワクチン接種を周知
徹底し、そうすることで2014年にポリオウィルス根絶に
成功しました。

コロナ禍で一時中断していたNIDですが、数年前から
復活しパキスタンからの人流があるものの、インドは
ポリオ根絶を維持しています。

パキスタン、アフガニスタンのポリオ根絶を成し遂げる
には、ワクチンの接種率を上げることが重要です。

ウクライナ戦争や、イスラエルのパレスチナ侵攻、トラ
ンプ大統領就任など世界は今混沌として来ています。
そういう中で、私たちが世界に「信」を持ち続けること、
そしてアフガニスタン、パキスタンにおける野生型
ポリオウィルス根絶が可能なのだという未来を「今」に
して、活動することが求められています。

ポリオ根絶まで、あと少しです。

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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。

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《問題》
地域社会の免疫を維持するのに必要な定期予防接種は95%
ですが、2023年にポリオを発症した地域の定期予防接種率
はどれくらいだったのでしょうか?

A. 80%
B. 70%
C. 60%










《答え》
正解はB. 70%です。コロナ禍で学んだように集団免疫を
取得するには、接種率を90%以上にする必要があります。
昨年罹患者数が一気に上がったのは、接種率が下がった
ことが原因の一つと言えます。

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【ポリオ罹患者数】
2024年の野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。

アフガニスタン 25名
パキスタン   68名
モザンピーク   0名
合 計   93名

12月12日の罹患者数は84名で、半月で9名増加し
ました。特にパキスタンで9名増加しています。
この罹患者数の増加をどのように食い止めるのかは今年の
大きな課題です。

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【編集後記】
いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
昨年12月末にインドで私が経営しているベーカリー、Iroha
で11年間勤めてくれた大森シェフが退職しました。

本人は道半ばで忸怩たる思いがあったと思いますが、
家族の問題があり帰国せざるを得ない状況でした。

彼はこの11年間で、Irohaをスイーツショップから
ベーカリーへ変え、今日の姿にした功労者でもあります。
大森シェフと共にインド全土に日本のパンを広めるという
ミッションを達成できなかったことは悔いが残ります。

たらればはないと分かっていますが、あえて言うと、
コロナ禍がなければ、また違った展開になっていたの
かも知れません。

これもめぐり合わせなので、受け入れて進んでいきたい
と思います。

今インドで、このメールマガジンを書いています。
日本人スタッフがいない中、インド人スタッフだけで
経営ができるように、その土台を作りに来ています。

日々、さまざまなトラブルが起きるのがインドですが、
今のところ経営に支障をきたすような大きなトラブルは
起こっていません。

試行錯誤しながら、日本人が常駐していないIrohaの経営
という次のステージに挑戦していこうと考えています。

今からちょうど14年前の2011年にIrohaをオープン
しました。
そのうちの11年間、お店の発展のために尽力してくれた
大森シェフに心から感謝をしています。

大森シェフがIrohaにいるのが当たり前だった世界が
変わり、これからどうなるのか不安もありますが、
それ以上に楽しみもあります。

2011年にお店を始めた時のようなワンダーを今感じて
います。

ワクワクを 心に秘めて リスタート

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最後に・・・
このメールマガジンが、ポリオ根絶を成し遂げる情報共有の
場ともなるよう、読者の皆さんとともに歩んでいきたいと
思います。
ぜひ皆さんのご意見・ご感想をお聞かせください。
また、お知り合いの方たちへもこのメールマガジンをご紹介
頂けたら幸いです。

アーカイブはこちらからご覧ください。

ポリオプラス通信 | 国際ロータリー第2750地区

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発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
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