Polio Eradication News===============

ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第48号 2024.6.15

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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。

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皆さん、こんにちは。
今年のロータリー国際大会に出席するため、5月25日
からシンガポールへ行ってきました。
世界各国からロータリアンが集結し、恐らく数万人は
いたのではないかと思います。

26日の総会は午前午後と2回に分けて開催されるほど
大盛況でした。

今回は日本のロータリアンとのイベントに参加したため、
欧米の方たちとは話す機会がありませんでしたが、
台湾の方たちと話す機会がありました。

日頃会うことができない世界中のロータリアンとの親睦
こそがロータリー活動の醍醐味ではないかと感じます。
2泊4日の強行軍だったので、もう少し長くいたらもっと
交流ができたかなと思うと残念です。

しかし各国のロータリアンの姿を見ていると、なぜロー
タリーがポリオ根絶に取り組んでいるのかが分かります。
これだけのマンパワーがある奉仕団体もなかなか無いの
ではと思えるほど、多くのメンバーが集まっていました。

今年はポリオ発症者を1桁に抑えたいと共有認識があり
ましたが、この1ヶ月で発症者は倍増し8名になりました。

罹患者を出さないためには監視(サーベイランス)と
ワクチン投与活動を継続していくことが重要です。
ロータリーでは、私たちが5千万ドル寄付することで、
ビル&メリンダ・ゲイツ財団が倍の1億ドルを寄付し、
合計1億5千万ドルをポリオ根絶の活動資金に充てています。

この巨額の資金をポリオ根絶活動に充てることによって、
インドやアフリカから野生株のポリオウィルスは根絶され
ました。
人類史上大きな成果になったことは間違いありません。

しかし、未だに世界からポリオを根絶するには至って
いません。

数年ほど前に、2690地区パストガバナーで長年ポリオ
根絶コーディネーターを務めた内科医でもある松本祐二
先生が言っていたことを思い出します。

松本先生が、あるウィルスの専門の先生になぜポリオは
根絶されないのかと聞いたそうです。
するとその先生は、戦争があるからだと言ったそうです。

平和な世の中であれば、監視体制やポリオワーカーの方
たちが更にワクチン投与活動を活発化でき、ポリオ根絶
ができるだろうと。
つまり、戦争のない平和な世の中をつくることこそが
ポリオ根絶につながるのだと言っています。

ロータリーは7つの重点分野を提唱しています。
その1番最初は平和の構築と紛争の予防です。
今世界はウクライナ戦争、イスラエル・ガザ戦争を始め
紛争が絶えません。

平和な世の中をどのように構築するのか。
残るパキスタン・アフガニスタンのポリオウィルス常在国
において、私たちはこのウィルスの根絶のために、どの
ように平和構築を成すのかを本気で考える時期に来て
いるのではないでしょうか。

ポリオ根絶まで、粛々と活動していきましょう!

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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。

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《問題》
ポリオ根絶活動に長年貢献したジョン・セイバー氏が、
92歳で逝去されました。
セイバー氏の推奨を基に、ロータリーはフィリピンでの
予防接種活動を始め、のちにポリオプラス・プログラム、
世界ポリオ根絶イニシアチブへと繋がっていきます。
そのきっかけとなったフィリピンでの予防接種活動は
いつ行われたでしょうか?

A. 1979年  
B. 1985年
C .1988年

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《答え》
正解はA .1979年です。B.1985年はポリオプラス・
プログラムが始まった年で、C.1988年はWHO、UNICEF
等と共に世界ポリオ根絶イニシアチブが設立された年です。

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【ポリオ罹患者数】
2024年6月4日現在の野生株のポリオ罹患者状況は
以下の通りです。

パキスタン   4名
アフガニスタン 4名
モザンピーク  0名
合 計    8名

6月4日現在、ポリオ罹患者数は8名となり、先月から
倍増しました。
この1ヶ月で罹患者が4名増えたことになります。
これ以上増えないようにどうするのか正念場を迎えて
います。
ワクチン投与活動を継続していくことで、これ以上
罹患者を出さないことが重要です。

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【編集後記】

ポリオプラス通信を読んで頂き、ありがとうございます。
今月号でこのメールマガジンを書き始めて4年が経ちます。

始めは書く内容がそれほどないのではと懸念もしましたが、
実際に始めてみると、内容が尽きることはありません。

5年以内にポリオ根絶することをコミットしてスタート
しましたが、残念ながら来年の根絶は難しいようです。

しかし、こうして書くことでアドボカシー活動の一環に
なるだけでなく、ハチドリのひとしずく(創刊号に
書きました。まだ読んでない方はご覧ください。

https://rid2750.org/news/ポリオプラス通信%E3%80%80創刊号/)

になると信じて活動しています。

1人の力はたかが知れています。
しかし、10人、100人、万人、億人となれば、大きな
ムーブメントになります。
そのためには、今この瞬間に活動し、一歩一歩進んで
いくことが重要です。

2014年に初めてインドでポリオワクチン投与活動に
参加したことが今も私の原点になっています。
同年にインドはポリオの根絶宣言をしました。

私はインドで日本のパンを製造販売して今年で13年
になりますが、あのインドでポリオ根絶宣言がなされた
のであれば、アフガニスタン、パキスタンでポリオが
根絶できない訳はありません。

ポリオ根絶には、多額の費用がかかります。
ぜひ皆さんに関心を持って頂き、皆様の浄財を活用し
ながらポリオ根絶の日のために、日々活動していくこと
が肝要です。

ロータリーは7月から新年度に入ります。
次年度こそ、野生株ポリオ罹患者を0にして、今後に
繋げられたらと考えています。

引き続き、このメールマガジンの情報を共有して、
地区やクラブで役立てていただければ嬉しいです。

『ポリオプラス通信~ポリオのない世界へ』はポリオ
根絶まで続きます。

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最後に・・・
このメールマガジンが、ポリオ根絶を成し遂げる情報共有の
場ともなるよう、読者の皆さんとともに歩んでいきたいと
思います。
ぜひ皆さんのご意見・ご感想をお聞かせください。
また、お知り合いの方たちへもこのメールマガジンをご紹介
頂けたら幸いです。

アーカイブはこちらからご覧ください。

ポリオプラス通信 | 国際ロータリー第2750地区

Article of ポリオプラス通信. 国際ロータリー第2750地区 Rotary International District 2750

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発行責任者 柳 邦明
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