Polio Eradication News==============
ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第59号 2025.5.15
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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
4月24~30日は世界予防接種週間でした。
この世界予防接種週間はロータリーと世界ポリオ根絶
推進活動(GPEI)のパートナー団体が築いた強固な
インフラの例として挙げられます。
1988年に創設されたGPEIは、ポリオワクチン投与に
よって、推定2,000万人の子どもが身体まひから救われ
たと推定しています。
当時はポリオによって毎日1,000人以上の子どもたちが
身体まひになりそのほとんどが幼い子どもたちでした。
ポリオは5歳までの子どもたちが罹患する確率の高い
病気です。
また一度罹患するとまひは完治しない、恐ろしい
ウィルスと言えます。
しかし、コロナと同じく集団免疫ができるとウィルスは
消滅します。
重要なことはワクチン接種率を上げることです。
ポリオワーカーの人たちが、ポリオワクチン投与活動が
常時行えるシステムができ、それがインフラとなりつつ
あります。
野生型ポリオが残るアフガニスタン、パキスタンの2カ国
においても、このインフラを確立し集団免疫をつくる
ことが出来れば、インドのようにポリオ根絶も可能だと
確信しています。
世界予防接種週間を利用して、1人でも多くの子ども
たちがワクチン接種を受けられる環境をつくることが
大切だと思っています。
そのためにも、ロータリーや他の団体も交えながら、
盛り上げていくことが、ポリオ根絶の源になります。
ポリオ根絶まであと少しです。
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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。
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《問題》
現在ポリオ常在国はアフガニスタン・パキスタンの
2カ国ですが、ラスト4カ国(アフガニスタン・インド・
ナイジェリア・パキスタン)となったのは何年でしょうか?
A.2000年
B. 2003年
C. 2006年
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《答え》
正解はC. 2006年です。A.2000年はオーストラリアから
中国に亘る、西太平洋地域でポリオ根絶宣言されました。
また2014年にインド、2020年にナイジェリアがポリオ
根絶宣言しています。
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【ポリオ罹患者数】
5月6日付野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。
アフガニスタン 2名
パキスタン 8名
モザンピーク 0名
合 計 10名
先月からアフガニスタン1名、パキスタン2名増加しま
した。微増ですが、昨年のように大量に増えないことを
願います。
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【編集後記】
いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
先日インドに行っている時のことです。
私の出張に合わせて大学のOBが集まってくれ、プチ
紫紺会が開催されました。
その時に大企業のインド責任者もいて、売上や利益の話に
なりました。
正直、大きな会社で得られるような利益を得ている訳
でもなく、皆さんの話を聞いている時に、突然ある先輩
から、「Irohaさんのやっていることは、目にみえる利益
のことではない。私たちインドにいる駐在員を力付ける
仕事だから無くなってもらったら困る。頑張って
欲しい。」と言われました。
思いがけない言葉だったので、一瞬キョトンとしてしまい
ましたが、笑顔でその先輩に感謝を伝えました。
利益を追求することだけが企業にとって価値がある
ことなのだろうか。
以前インドでIrohaを始めてから、5年間赤字だった時に
ずっと考えていたことです。
当時の経営者仲間に、柳はインドに遊びに行っていると
揶揄され、悔しいけれど反論できなかったことを今も
覚えています。
利益という結果を出していないことに忸怩たる思いを
抱いていました。
いっそのこと閉店しようかと思ったことも何度もあり
ました。
しかし、「Irohaは私たちのオアシスなんです」と言って
頂いたお客様のために辛い時期を乗り越えると、
一転黒字化していきました。
そして、コロナ禍で日本人が一気に帰国すると、また
厳しい経営が待っていました。
最近、持続可能な会社とはどういう存在なのかと考える
ことが多くなっています。
明確な答えは出ていませんが、少なくとも、社会
(お客様)が必要としている企業であることは間違い
ありません。
利益は薄く、成功しているとは言い難いですが、
コロナ禍で撤退するお店が多い中、継続できたのは
お客様のおかげです。
今のインドは多様化し、Irohaでなくても食料品もパンも
購入できます。
Irohaが存在する意義を改めて知らしめる必要があります。
それをどう創作するのか。
お客様に寄り添って、買いたいと思う商品があれば、
売上は自然と上がるし、感謝されるお店になれたら、
お客様にとって価値のあるお店になるのではないか。
道半ばではありますが、やりがいのあるタフな仕事を
楽しみにやっていこうと今回の出張を経て感じました。
われに問う 存在価値は 誰がためぞ
今回も川柳をつくって、自分の現在地を表現してみました。
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