Polio Eradication News==============
ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第58号 2025.4.15
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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
先日、元ポリオ根絶ゾーンコーディネーターである
松本祐二パストガバナーの話を聞く機会がありました。
ロータリーがポリオ根絶に対してどのように向き合って
きたのかを中心に、インドやパキスタンでのポリオ
ワクチン投与活動の体験談を織り交ぜながら話される
内容に惹き込まれました。
今回の話の中で印象的だったのは、紛争が解決して平和
にならないと国際社会は感染症にまで力を入れないのだ
ということ。
そして、ポリオ根絶がパキスタンよりもアフガニスタン
の方が早いかもしれないとのこと。
最後にポリオが根絶した後のサーベイランス(監視体制)
をどのように維持していくのかという視点でした。
最初の2つについては以前のポリオプラス通信でも書いて
いますので、覚えている方もいるかもしれません。
改めて松本先生の話を聞いて、やっぱりそうかもしれない
と感じました。
3つ目のポリオワクチン投与活動や、監視体制の維持に
ついてですが、5年前のコロナ禍で実行されたコロナ
ワクチン投与活動が有効でした。
ポリオが根絶された場合、この監視体制を維持するだけの
金銭的余裕があるのかどうかと言っていたのが耳に
残っています。
また野生株のポリオが根絶されたとしても、ワクチン
経由でのポリオが直ぐになくなる訳ではありません。
ポリオが根絶してから、3年ほど野生株ポリオが発生して
いないと証明され、WHOが根絶宣言をするその日まで、
私たちは活動していくという信念を持っていきたい。
松本先生のお話は、これまでの総括の部分もあり
ましたが、これからの未来を語っていました。
1日でも早く、アフガニスタンとパキスタンのポリオ
発症を0にして、根絶宣言を待ちましょう!
ポリオ根絶まであと少しです。
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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。
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《問題》
ポリオプラス・プログラムが始まった1985年から
2022年までの37年間に国際ロータリーはポリオ根絶に
いくら寄付をしているでしょうか。
A. 51億6,200万ドル
B. 42億7,500万ドル
C. 24億6,300万ドル
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《答え》
正解はC. 24億6,300万ドルです。A. 51億6,200万ドル
はビル&メリンダ・ゲイツ財団、B. 42億7,500万ドルは
アメリカ合衆国が寄付した額になります。
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【ポリオ罹患者数】
4月8日付野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。
アフガニスタン 1名
パキスタン 6名
モザンピーク 0名
合 計 7名
先月からポリオ罹患者は増えていません。これは久しぶり
に嬉しいニュースです。
このまま増えないで推移してほしいと思います。
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【編集後記】
いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
昨日(4月9日)に11年間インドのIrohaで働いてくれ
た大森シェフの奥様が他界されたとの一報が入りました。
昨年の夏前に奥様は3回目の手術をすることになり、
精神的に不安定な状態になっていました。大森シェフ
から最後は一緒にいたいとの思いがひしひしと伝わり
インドから帰国となりました。
昨年12月をもって退職し、今年1月にはだいぶ落ち
着きましたとの連絡をもらっていたのに。
あまりにも早く逝かれたことがショックでなりません。
斎場の都合でまだ荼毘に付されていないとのこと
でしたので、すぐに会いに行きました。
お顔を見ると、今にも目を覚ますのではないかと思える
くらい安らかに眠られていました。
こんなことなら、もっと早くに帰国してもらえばよかった
と後悔しましたが、
「会えない期間があったからこそ、一緒に買い物に
行ったり、散歩をしたりと(就職するまでの)2ヶ月間
ずっと一緒に過ごすことができよかったです」という
大森シェフの言葉に救われました。
大森シェフの就職が決まり、3月から働けることになった
ことを奥様も喜んでいたと聞き、神は何と残酷なことを
するのかと憤りを感じました。
2年ほど前、「大森が気兼ねなく、インドで仕事ができる
ことが嬉しい」と仰っていたのが私との最後の会話と
なりました。
突然の死に大森シェフも憔悴していましたが、ご冥福を
心よりお祈りします。
思い出す 儚いいのち 桜咲く
奥様に会いに行った帰りに、満開を越した桜の花びらが
桜吹雪のように舞っていました。
この桜を見る度に、思い出すのだと思い川柳に
したためました。
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○メールマガジン「ポリオプラス通信~ポリオのない世界へ」
発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
ポリオプラス委員会
polioplus2750@gmail.com