Polio Eradication News==============
ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第56号 2025.2.15
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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
先日NPO法人ポリオジャパン設立総会に参加するため、
衆議院議員第一議員会館会議室に行ってきました。
ポリオの会世話役の丸橋達也さんが代表理事になり、
新法人を立ち上げる姿を見て、これまでポリオの会を
リードしてきた小山万里子代表と共に、新たなチャレンジ
をするのだと感じました。
小山さん世代の皆さんが立ち上げたポリオの会の活動に
よって、ポリオ罹患者の皆さんの道を切り拓いたのは
間違いありません。
孤立していた罹患者の皆さんを全国ネットワークで繋ぐ
ことで、麻痺した四肢の患者の皆さんに希望の光を当て
てきました。
日本では1950-60年代に猛威を振るったポリオウィルス
は、2000年に根絶宣言をされました。
これにより、ポリオの存在はワクチン接種に関してで
しか聞かない疾病になっています。
しかし、日本では2012年まで生ワクチンを接種していた
ことにより、ワクチン由来でポリオに罹患した方たちも
多数います。
ワクチン由来で罹患した丸橋さんは、「野生株ポリオが
無くなったことがポリオ根絶ではなく、ポリオに罹患
した人たちが世界からいなくなった時が本当のポリオ
根絶なのだ」と言っています。
世界では今なお、アフガニスタン、パキスタンがポリオ
常在国になっています。
この2カ国から野生型ポリオが無くなれば、ワクチン
接種をする必要はありません。
そうすれば、ワクチン接種にかかる費用を他の目的に
使用することができるのです。
このNPO法人ポリオジャパン設立総会の前に、小児科医
でユーカリが丘アレルギーこどもクリニック院長の
松山剛先生が講演をされていました。
松山先生がおっしゃっていたのは、4回ポリオワクチンを
接種したとしても、中学生の頃には免疫力が落ちてくる
とのことでした。
5回接種すると、この免疫力低下はかなり改善される
そうですが、接種回数が少ないと免疫力が落ちるので、
日本でもポリオ罹患者がいつ出てもおかしくないと
仰っていました。
アフターコロナで再度人流が活発になり、昨年パキ
スタンでは68名のポリオ罹患者が確認されています。
松山先生の「政府は国民の健康を守ろうとしているのか」
という発言は、恐らく国の危機感の欠如を嘆いていた
のではないかと推測します。
今年のポリオ罹患者数がどのように推移するのか、
しっかり確認することが大切です。
私たちロータリアンが毎年5000万ドル捻出することに
よってビル&メリンダ・ゲイツ財団が2倍の1億ドルを
寄付し、合計1億5000万ドルの資金を※1 GPEI(世界
ポリオ根絶イニシアティブ)に提供しています。
ロータリアン皆さんからの浄財が全世界で有効に活用
されるよう注目していきましょう。
ポリオ根絶まで、あと少しです。
※1 GPEIは、WHO、ロータリー、CDC(アメリカ疾病
対策センター)、UNICEFが中心となり設立された
パートナーシップ団体です。
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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。
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《問題》
ポリオ常在国は現在2カ国ですが、アフリカでポリオ
根絶宣言したのは何年でしょうか?
A. 2019年
B. 2020年
C. 2021年
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《答え》
正解はB. 2020年です。以前ナイジェリアでポリオ根絶
宣言がなされましたが、その後野生型ポリオ罹患者が
現れ、ようやく2020年に根絶されました。
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【ポリオ罹患者数】
2月4日付野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。
アフガニスタン 0名
パキスタン 1名
モザンピーク 0名
合 計 1名
今年の罹患者数が1名になりました。昨年はここから
一気に増えていきましたので、今後の推移に注目したい
と思います。
アフガニスタンは、タリバン政権がワクチン接種を強化
していると聞きました。
このままポリオ根絶になるか注視したいと思います。
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【編集後記】
いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
先日、サントリーホールブルーローズで開催された東京西
ロータリークラブ創立70周年記念コンサート「希望の響き
~Shine On Harmony~」に行ってきました。
障がい者の方たちのコンサートが素晴らしいとの評判を
聞き参加したのですが、想像をはるかに超えたすごい
コンサートでした。
5名の方が出演されましたが、ほぼ盲目のバイオリ
ニスト、ギター一本でブルースを歌い上げる人、歌を
手話でパフォーマンスする人、そして全盲のシンガー
ソングライター、さらに車椅子ダンサーの演技は圧巻
でした。
先天性二分せきつい症で背骨が捻じ曲がっているにも
かかわらず、上腕の力で車いすの上に乗ったり、床の上
を跳ね回ったり、壇上でとても大きく見えました。
また、Nyanko(にゃんこ)さんの涙そうそうの歌に合わ
せた手話パフォーマンスに涙が溢れるほど感動しました。
歌を聞くとその歌声に集中しがちですが、手話を通して
歌詞がありありとイメージされ、兄を思う妹の切ない
思いに感動したのです。
そして6年ほど前に流行した「パプリカ」のパフォー
マンスでは、サビの部分に合わせて観客も一緒に手話を
して、大いに盛り上がりました。
Nyanko(にゃんこ)さんは全く耳が聞こえないのに、
どうやって曲に合わせてパフォーマンスできるのか
私には不思議でしたが、前に座った女性のカウントに
合わせてパフォーマンスしていると彼女が解説して
くれました。
これは健常者には分からない努力の賜物なのだと気づき
ました。
出演された方たちは皆、類まれな才能を持っていて、
またそれを超える努力をしているからこそのパフォー
マンスなのだと感じました。
演技をした人たちだけでなく、私たち観客も一緒になって
世界への希望を紡いだ素晴らしいコンサートでした。
健常者、障がい者と分けるのではなく、このコンサートに
よって、すべての人は同じ人間として感動を分かち合える
素晴らしさを体験しました。
分かちあい 世界はひとつ 平和かな
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