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2025年7月 1ドル 145円

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米山学友会 総会・懇親会が開催されました

2750地区 米山学友会 総会・懇親会参加レポート

2025年7月6日(日)、真夏の陽射しが照りつける中、第2750地区米山学友会の総会と懇親会が市ヶ谷の私学会館にて開催されました。会場には、ロータリアン19名、奨学生11名、学友会メンバー32名の計約60名が集い、国境を越えた交流と友情が育まれる一日となりました。

午後3時、総会がスタート。まずは前年度米山学友会会長、ヴィンセント・セバスチャンさんから、2024-25年度の活動報告。等々力高校とのクロスカルチャー授業、国際交流イベント、座談会、ロータリークラブとの連携など、盛りだくさんの活動が写真とともに振り返られました。「最初は手探りでしたが、多くの仲間に助けられました」と語るヴィンセントさんの言葉に、運営の苦労と喜びがにじんでいました。

続いて、新年度の組織体制が発表され、新会長・銭 海英さんが就任の挨拶。「この米山学友会は、私にとって家族のような存在。10周年という大きな節目の年に、皆さんと一緒に未来をつくれることが本当にうれしいです」と、穏やかな笑顔と共に語られました。新体制の役員たちも登壇し、それぞれの言葉で意気込みを表明。全員がかつて米山奨学金を受けた学友として、今は日本社会に根を張って活躍しています。

その後の懇親会は、三浦眞一パストガバナーの乾杯で華やかに幕開け。「米山学友会が10周年を迎えることは、私たちにとっても大きな喜びです。昔は2580地区と一緒だったのが、今ではそれぞれの地区で活発に運営され、素晴らしい活動を展開している。皆さんの笑顔と活躍に、心から感謝します」と語り、大きな拍手の中で杯が掲げられました。

懇親会場のテーブルごとの自己紹介タイムでは、さまざまなバックグラウンドを持つ参加者の個性が光りました。
 

台湾出身の大学院生は「来日前は日本語教師をしていました。今は“学びのポートフォリオ”をテーマに研究しています。日本と台湾の教育の懸け橋になりたい」と語ります。
 中国出身で広告業界に勤める学友は、「日本に来て10年。ロータリーでたくさんの出会いがありました。これからもこの縁を大切にしたいです」と笑顔で語りました。
 韓国出身で博士課程に在籍する学生は、「日本と韓国の社会運動を比較研究しています。歴史を学ぶことで、両国の理解を深めたい」と抱負を語りました。
 中国出身の社会人は、「今日の会場に営業先の方がいてびっくりしました。こういう再会があるのも学友会ならではですね」と思わぬ“再会エピソード”に笑顔を見せました。
 中国出身で心理学を学ぶ学生は「アニメに影響を受けて日本に来ました。将来はエンタメ業界で世界に夢を届けたい」と話し、参加者の共感を呼びました。
 西安出身の学友は「米山奨学生だったことは自分にとって“ブランド”です。精神的にも大きな支えになりました」と感謝の思いを口にしました。
 ミャンマー出身でホテル勤務の学友は、「久しぶりに参加できて嬉しいです。またここから縁が広がっていくといいですね」と語りました。
 トルコ出身の学友は「今は外国人支援の仕事をしています。米山で得たご縁が人生に大きく影響しました」と話していました。
 韓国出身で大学教員を務める元奨学生は「大学時代のロータリーイベントが一番の思い出です。今は自分のゼミ生にもロータリー奨学金を薦めています」と話していました。
 東京で遺伝学を学ぶ中国出身の学生は、「研究室でロータリーの話をしたら、スウェーデンやフランスの教授たちが知っていて驚きました」とエピソードを披露しました。
 日本語の文法を研究している中国出身の大学院生は、「学友会のイベントに参加するのは初めてでしたが、新鮮で刺激的でした。卒業後は学友会にも加わりたいです」と語りました。
 東京芸術大学で染色を学ぶ中国出身の学生は、「日本の伝統技法に惹かれて来日しました。今日は先輩たちとたくさんお話ができて、とても嬉しいです」と話しました。
 韓国出身で建築業界から会計業務に転身した学友は、「永住権取得を目指しながら、これからも日本で楽しく暮らしていきたい。学友会を通じて出会いを大切にしたい」と語りました。
 国際日本学を学ぶ中国出身の学部生は、「社会健康学を研究し、日本で働きたいと思っています。日本語はまだ苦手ですが、努力を重ねたいです」と話しました。

最後に、学友会運営スタッフの一人はこう語ってくれました。「やりがいは“仲間とともに挑戦すること”です。右も左も分からないところから始まりましたが、協力してひとつの会をつくりあげていく過程が本当に楽しい。来年の10周年は、最高のかたちで迎えたいですね」。
会場には終始笑顔があふれ、テーブルを越えて名刺やSNSの連絡先を交換する姿があちらこちらに。言語も文化も異なる仲間たちが、米山をきっかけに「人生の共通点」を見つけている様子が印象的でした。交流の輪はどんどん広がっていきました。

このイベントの意義について、インタビューに応じた田中靖ガバナーはこう語りました。「米山奨学生は、単なる“支援対象者”ではありません。彼らは未来のリーダーであり、平和の使者です。今の世界に必要なのは、国家の枠を超えた理解と信頼。米山学友会が、その原点になると信じています。」

また、日本アニメーション株式会社の代表を務める石川和子ガバナーノミニーもインタビューに「若い米山学友たちの話を聞いて、ロータリアンがもっと頑張らなきゃと思いました。皆さん、個性が豊かで、アニメの話題でも盛り上がっていて(笑)。もっともっとアニメを好きになってアニメを使って世界の外交官になってほしい。彼らをみて文化が“つなぐ力”になっているのを実感しました」と、温かく語りました。

運営スタッフの一人にやりがいを尋ねたところ、こう語ってくれました。「正直、最初は“右も左も分からない”状態でした。でも、少しずつロータリーの仕組みや学友会の意味がわかってきて、自分の役割を実感できるようになりました。仲間と一緒に動けることが本当に楽しいんです。」

国も言語も背景も違う人たちが、同じテーブルで笑い合い、語り合い、再会を約束するそれが米山学友会の魅力であり、ロータリーの力だなと感じました。この日生まれた新たな絆が、やがて世界のどこかで“平和の種”になる。そう信じたくなる、そんな1日でした。

2750地区米山記念奨学委員会 副委員長
東京山の手ロータリークラブ
青栁浩