2026年3月8日(日)、国際ロータリー第2750地区の「2025-26学年度 米山記念奨学生 期間修了式および歓送会」が盛大に開催されました。当日は修了・継続奨学生34名、世話クラブ・カウンセラー35名、地区役員、学友会関係者など21名、計90名が出席しました。本行事は、米山奨学生としての期間を修了する留学生を送り出すとともに、奨学生・ロータリアン双方がその歩みを振り返り、今後の活躍を祝福する節目の式典です。
第一部:新たな門出「期間修了式」
冒頭、檜垣真司委員長(東京愛宕RC)は「2年前、品川のさくらタワーで緊張した面持ちで面接を受けていた皆様が、今は自信に満ちた表情に変わっている。担任の先生のような気持ちでその成長を誇りに思います」と挨拶。選考から関わってきた地区リーダーとして、感慨深い思いを語りました。
田中靖ガバナーは、「日本での研究やクラブでの友情は一生の財産です」と述べ、奨学生の皆さんが研究や学業に励みながら、ロータリークラブとの交流を通じて友情と国際理解を深めてきたことを称えるとともに、奨学生を支えてきた世話クラブやカウンセラー、そして寄付を通じてこの事業を支えている地区のすべてのロータリアンへの感謝を述べられました。
式典では、田中ガバナーより奨学生へ修了証が授与されました。証書を受け取る奨学生の姿に、会場からは大きな拍手が送られました。ロータリー会員の寄付によって支えられてきた奨学生が、学業や研究だけでなく、人として大きく成長した姿は、まさに米山奨学事業の成果を象徴するものです。
奨学生代表による謝辞では、世話クラブやカウンセラーへの深い感謝が語られました。奨学生からは「例会での交流や研修旅行を通じて、多くの日本人と友情を築くことができた」「研究生活の中で、ロータリーの皆様の励ましが大きな支えとなった」といった言葉が述べられ、将来は日本と母国をつなぐ架け橋として社会に貢献したいという決意が語られました。
また、奨学生を支え続けたカウンセラーへの感謝状贈呈も行われました。カウンセラーを代表して東京八王子北ロータリークラブ鈴木豪さんが挨拶し、「奨学生との交流はロータリアンにとっても大きな学びであり、国際理解を実感する時間だった」と語られ、ロータリーの国際奉仕の意義が改めて共有されました。
第二部:感謝と感動が交錯する「歓送会」
続く歓送会では、奨学生一人ひとりがマイクを握り、世話クラブやカウンセラー、そしてロータリーファミリー全体への感謝を語りました。そこには、会員の皆様との日常的な触れ合いがあったからこそ生まれた、心温まるエピソードがありました。
「日本への偏見」が「信頼」に変わった日
韓国出身の奨学生は、自らの心の変化を率直に語りました。「日本に来る前は、ニュースの影響でネガティブな感情もありました。しかし、ロータリーで皆様と顔を合わせ、笑顔で語り合うことで、日本で暮らす方々の視点や考え方に触れることができました。顔が見える交流こそが国際理解だと、身をもって実感しました」。この言葉は、米山事業が草の根の国際理解として機能していることを物語っています。
「何気ない一言に感じた家族の温もり」
ある学生は、例会での細やかな気遣いに触れ、声を詰まらせました。例会で余ったお弁当を「食べる?」と声をかけてもらったことを思い出として語りました。「実はその一言がとても嬉しくて、温かい気持ちになりました」と笑顔で語り、日常のささやかな交流が留学生にとってどれほど大きな意味を持つのかを伝える印象的な場面となりました。
「心の鬼」を追い払う勇気
ある学生は、世話クラブの先輩から教わった言葉を一生の宝物にすると語りました。「節分の行事で豆まきをした際、『鬼は自分の心の中にいるんだよ』と教えていただきました。これから日本で社会人になり、困難に直面したときも、皆様に教わったその言葉を思い出し、心の鬼を追い払って頑張ります」。ロータリアンの人生訓が、若者の指針として受け継がれた瞬間でした。
研究の孤独を支えた「月一度の笑顔」
博士課程でパソコンと向き合い続ける孤独な日々を送っていたある奨学生は、「研究が苦しく心が折れそうな時も、月に一度例会に行けば皆様が笑顔で迎えてくれた。あの笑顔があったから、無事に博士論文を書き上げることができました」と、深く頭を下げました。カウンセラーやクラブメンバーが注いできた愛情が、学問的な結実をも支えていたのです。
「しりとり」が和らげた緊張
2年前の選考時のエピソード。「極度に緊張していた私に、檜垣委員長が『しりとりをしよう』と提案してくれました。あの遊びで緊張が解け、笑顔になれたから今日があります。日本の『人の目』が、ロータリーでは温かく『見守ってくれる目』に変わりました」。
未来へのメッセージ
奨学生たちは、「いただいた恩を次の世代に送る(恩送り)人間になりたい」「将来は自分もロータリアンになって社会に貢献したい」と口々に述べました。彼らが語る「四つのテスト」への理解や、奉仕の精神への共鳴は、地区会員の皆様の寄付と情熱が、最高の結果として実っている何よりの証拠です。
武藤英正ガバナーエレクトは「米山事業は一生の友達を作るプラットフォーム」と総括し、石川和子ガバナーノミニーも「世界中で悲しい出来事が起こる今こそ、この交流が平和の種になる」と期待を寄せました。
次年度へつなぐ情熱
最後に、次年度の同委員長を務める遠藤美香氏は、「皆さんは決して一人ではありません。ロータリーの仲間はいつまでも皆さんの応援団です」と語り、学友としてこれからもロータリーとのつながりを大切にしてほしいと呼びかけました。「皆様を支えているつもりが、実は我々が皆様から喜びと感動をいただいていました。ここにいる全員が皆様の応援団です」と結びました。
修了した多くの奨学生たちは、これから社会へと旅立ちます。会員の皆様におかれましては、国際情勢が不安定さを増す今だからこそ、国境を越え、平和の架け橋として活躍する米山奨学生たちへの変わらぬご理解とご支援をお願い申し上げます。
地区米山記念奨学委員会 副委員長 青栁浩
所属 東京山の手ロータリークラブ
