Polio Eradication News===============
ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第69号 2026.3.15
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これまで60号を発行しましたが、新年度の7月を迎えるに
あたり、内容を少し変えます。
皆さんがポリオ根絶を身近に感じられ、ポリオ根絶を
通して、社会課題に向き合えるように。
誰でも気軽に読める内容を心がけていきます。
ポリオの現状とこれまでの活動を知って頂きたく、
情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
先日、国際ロータリー第2830地区(青森)のパスト
ガバナーで小児科医である関場慶博先生が銀座・日本橋
グループのインターシティ・ミーティング(近隣クラブ
が垣根を越えて集い、親睦を深め合う会合)に登壇される
と聞き出席しました。
久しぶりに話を伺う機会なので、どんな話をされるのかと
楽しみにしていました。
その講演で、なぜポリオ根絶が難しいのかというところが
印象的でした。
ポリオウィルスは、天然痘のように多くの人が発症する
わけではなく、1000人に1人の発症率です。
言い換えると保菌した大多数はポリオウィルスを便を
通じて拡散していると言えます。
また子どもたちを十分に守れるほどのワクチンがあるにも
関わらず、ムスリムの人たちは、ワクチンを接種すること
で不妊させられ、迫害しようとしているとの陰謀説を信じ、
ワクチン投与を拒否する人たちが少なからずいて、問題を
複雑にしているそうです。
つまり世界がもっと平和で国際協力がスムーズに進んで
いたら、20世紀末にはポリオは根絶されていたであろう
と関場先生は仰っていました。
以前から世界が平和であればこそ、ポリオ根絶が可能
なのだと思っていたことと合致して嬉しい発見でした。
そして続けてこう仰います。
「私はポリオ根絶が間もなく成されることを信じて
います。その歴史の最後の1ページを見てみたい。
そのためにポリオ根絶に力を注ぎたい」と。
私たちの世代で終わらせましょうというメッセージにも
大いに力づけられ、私自身もポリオ根絶の最後の
1ページに注力したいと思いました。
関場先生に連絡して、講演の少し前にお茶をする時間
を頂きました。久しぶりに色々と話を伺っている時に、
ふとポリオプラス通信も長く書いていますが、たまに
いつまで続けるのかと力が抜ける時がありますと話して
しまいました。
そして、関場先生はそんな時どうされていますか?と
聞いたところ、「僕も力が抜ける時があります。でも
子どもたちと約束したから」とさらりと仰いました。
その言葉に力を頂きました。
私たちロータリーは、「この世界からポリオを失くす」
と子どもたちと約束しました。
それを果たすべく、一歩一歩目の前のことに取り組む
のだと関場先生から背中を押されたように感じ、力が
湧いてきました。
ポリオ根絶まであと少しです。
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【ポリオミニ知識(9)】
ポリオの歴史や、ロータリーとポリオの関係など、ポリオ
にまつわるミニ知識を掲載します。
ポリオに関する発見をお楽しみください。
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先日、山の手西グループのインターシティ・ミーティング
で軽快なサックスの音色が流れていました。
聞けば、このサックス奏者のデヴィッド・サンボーン氏は、
ポリオ罹患者とのこと。
その音色に魅せられ、今回はサンボーン氏にスポットを
当てました。
デヴィッド・サンボーンは伝説的なサックス奏者で
まさに、「ポリオのリハビリから生まれた世界的スター」
といえる人物です。
彼のサックスの音色はジャズ、フュージョン、ポップス
の垣根を越えて、今もなお多くのファンに愛されています。
サンボーンの伝説は、3歳の時にポリオに罹患したこと
から始まります。
彼はポリオによって胸部と右腕に麻痺が残りました。
一時は非常に危険な状態でしたが、回復した後も肺活量
が著しく低下しており、呼吸機能を強化する必要が
ありました。
医師は肺を鍛えるためのリハビリとして、「何か管楽器
を吹いてみてはどうか」と提案しました。これが、彼が
サックスを手にするきっかけとなりました。
肺機能を高めるための「訓練」として始めたサックス
でしたが、彼はすぐにその魅力に取り憑かれました。
病の影響で低下した心肺機能を補うために、彼は独特の
ブレス(呼吸法)を編み出していくことになります。
サンボーンの音は、一度聴けばすぐに彼だと分かるほど
強烈な個性を持っています。
彼の音は、非常に明るく、鋭く、それでいてどこか切なく
「泣いている」ように聞こえます。
これは、ポリオの後遺症という身体的な制約を克服する
過程で生まれた、彼独自の奏法によるものです。
彼は肺の弱さをカバーするために、非常に高い圧力を
かけて音を出すスタイルを確立しました。
それが結果として、他の誰にも真似できないエモーショ
ナルでエネルギッシュなサウンドを生んだのです。
残念ながら2024年5月、彼は78歳で亡くなりました。
死因は合併症(前立腺がん)とされていますが、
晩年まで精力的に活動を続けていました。
デヴィッド・サンボーン氏の物語は、以前ポリオプラス
通信で取り上げた坂東玉三郎さんや篠塚建次郎さんと
同様に、「病による制約を、自分だけの強烈な武器に
変えた」という、人間の可能性を象徴するエピソード
として語り継がれています。
皆さん、ぜひサンポーン氏の音色を聞いてみてください。
インターシティ・ミーティングで流れていたサンボーン氏
の曲を選曲してくださった高村ガバナー補佐に感謝して
います。
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【ポリオ罹患者数】
2026年3月10日付の野生株のポリオ罹患者状況は
以下の通りです。
アフガニスタン 0名
パキスタン 1名
合 計 1名
前回のメルマガで2025年は44名でしたとお伝えしまし
たが、今回GPEIのサイトを見ると、51名と増えていま
した。
アフガニスタンが7名増えて20名、パキスタンが31名
の合計51名になっています。
また、今年はパキスタンで1名の罹患者が出ています。
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【編集後記】
いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
先日、今年初めてインドへ出張しました。ちょうどバレン
タインデーの時期に行ったので、お店はハートマークの
装飾がされ、賑やかな雰囲気でした。
おかげさまで、生チョコレートの他フォンダンショコラ、
チョコレートムースなどこの時期だからこその商品もあり
盛況でした。
また昨年12月から日本食レストランがあるモールで
キオスク(2坪くらいのお店)として出店しています。
毎日パンを中心にクッキーなども販売していますが、
日本人だけではなく日本に興味があるインド人のお客様も
よく来店しているようです。
おかげさまで、年末年始を含む1月は日本人の方たちが
移動するため例年売上が良くないのですが、今年は他の
月と同様の売上になりました。
帰国後に久しぶりに大森シェフに会いました。
2024年に家族の都合で11年勤めたIrohaを退職してから、
昨年入院したこともありあまり会う機会がなく、半年ぶり
の再会でした。
お互いの現状を話したあと、私からまたインドに戻って
仕事しませんかと話しました。
日本にいると一般人ですが、インドの日本人社会では、
唯一無二の有名人です。
大森さんにしかできないことが、インドではまだまだある
と思っています。
しかし、なかなか首を縦に振りません。
振り返ってみると、13年前に初めて大森さんと会った時も
なかなか首を縦に振りませんでした。
私は初めて会った時から、この人にやってもらいたいと
思い、何度も会って話を聞きました。
そして最後に、行ってもいいが今の仕事の代わりの人が
見つかるまで待ってくださいと言われ1年近く待ち、
彼はIrohaに入社したのです。
その時のことを思い出し、何度でも会って話をし、機が
熟すのを待とうと思いました。
今インドは高度成長して15年前とは比較にならないほど
変化しています。
その中で、インドの人たちに食の分野で日本を知って
もらいたいと切に思っています。
それには、大森シェフのように道を拓く人が必要です。
そして大森シェフがインドへ安心して行けるような環境
を作れるかを私自身が試されているようにも感じます。
次回大森シェフが首を縦に振るような「私」として成長
しようと思います。
たぐり寄せ 分かち合いつつ 何度でも
今回も川柳を詠んでみました。
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○メールマガジン「ポリオプラス通信~ポリオのない世界へ」
発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
ポリオプラス委員会
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