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【ポリオプラス通信】 ~ポリオのない世界へ第66号 2025.12.15

Polio Eradication News==============

ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第66号 2025.12.15

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これまで60号を発行しましたが、新年度の7月を迎えるに
あたり、内容を少し変えます。
皆さんがポリオ根絶を身近に感じられ、ポリオ根絶を
通して、社会課題に向き合えるように。
誰でも気軽に読める内容を心がけていきます。
ポリオの現状とこれまでの活動を知って頂きたく、
情報発信します。

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皆さん、こんにちは。
先日11月17日から20日まで、ロータリー研究会が
横浜で開催されました。
年に一度全国のシニアリーダーが集まり、ロータリーの
活動や現状について語り合う場です。

ここ数年は国際ロータリー会長が来てくださり、今年も
フランチェスコ・アレッツォ会長が来日され、日本のみ
ならず世界の動きを直接知る機会にもなっています。

さて、今回のロータリー研究会で様々なディスカッション
が行われましたが、私が注目したのは、尾身先生の講演
でした。

昨年度も登壇され、ロータリー活動への感謝を述べて
いらっしゃいましたが、今回はその先の話もされてい
ました。

印象に残ったのは、ポリオ罹患者が100人を下回っている
のは、サーベイランス(監視体制)が信頼できるものに
なっているからだと仰ったことです。

ワクチン接種率を高め、維持していくことで、野生株の
ポリオを根絶し、将来的にワクチン投与も止め、ワクチン
由来のポリオ罹患者もゼロにすること。
そのためには、ポリオ常在国であるアフガニスタン、
パキスタン両国に何らかのインセンティブが必要ではない
かと仰っていたことも印象的でした。

ポリオ根絶ができると、天然痘に次ぐ2番目の感染症根絶
になるし、マラリア、コレラ等の感染症を根絶するには、
母子保健や下水施設の拡充が必要だとの見解でした。

確かにポリオ根絶のためのサーベイランスはコロナ禍でも
威力を発揮し、アフリカなどでコロナワクチン接種活動に
大いに利用されました。
同じようにポリオ根絶の暁には、このサーベイランスを
他の感染症に役立てることができます。

ポリオ根絶が、感染症根絶へのドミノ倒しになることを
頭に置きつつ、これからも活動していこうという尾身
先生の考えが伝わってくる興味深い講演となりました。

昨年のこの時期のポリオ罹患者は94名でしたが、今年
は39名と半減しています。
来年も更に半減できるよう、取り組んでいくことが大切
だと考えています。

サーベイランスとワクチン接種率を高く維持していくこと。
ポリオワーカーの皆さんと連携して、愚直にワクチン
接種すること以外に根絶への道はないと再確認しました。

2026年もポリオ根絶までラスト1インチの活動をしっか
りやっていきましょう!

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【ポリオミニ知識(6)】
ポリオの歴史や、ロータリーとポリオの関係など、
ポリオにまつわるミニ知識を掲載します。
ポリオに関する発見をお楽しみください。

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今回はポリオ根絶におけるビル&メリンダ・ゲイツ財団
の存在感についてお届けします。
ポリオ根絶活動におけるビル&メリンダ・ゲイツ財団の
存在は、非常に大きいと言えます。
彼らがこの活動に与えた影響は、単なる資金提供者を超え
戦略立案や技術革新の牽引役にまで及んでいます。

ゲイツ財団は、国際ロータリーとのマッチング・パートナー
シップを結び、これまでに20億米ドル以上の資金がポリオ
根絶のために生み出されています。

そして「ポリオをどうやって根絶するか」という戦略自体
にも深く関与し、「ワクチン由来ポリオウイルス」の
リスクに対し、新型経口ポリオワクチンの開発を強力に
支援し、ワクチン戦略を根本から変革しました。

さらにサーベイランスを強化することによって、どこに
ウイルスが残っているかを正確に把握するため、下水
サンプリングなど、最先端の技術を用いた監視体制の
構築に巨額の資金を投じています。

現在の根絶活動は、野生株をパキスタンとアフガニス
タンから完全に排除すること、ワクチン由来のポリオの
アウトブレイクを封じ込めることに集中しています。

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【ポリオ罹患者数】
12月9日付野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。

アフガニスタン 9名
パキスタン   30名
合  計   39名

11月から罹患者がアフガニスタン3名、パキスタン1名
の合計4名増加しています。
昨年同時期と比べると、罹患者は55名減少しています。
来年に向け、更なる減少を意図しています。

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【編集後記】

いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
先日インドに今年最後の出張をしてきました。
今年もIrohaのクリスマスケーキが、インドにいる皆さん
のクリスマスに彩りが加わることを願ってクリスマス
プレートを手持ちしました。

さて、出張初日にお店に行くと、スタッフ5人が長期休み
を取っていました。
その中には黄疸が出て、10日ほど休んでいた日本語の
話せるプラヤンシュや、経理担当者が含まれ、大丈夫かと
思いましたが、全く問題なく出張中にやりたかったことは
全て終わらせ帰国しました。

実はこれまでの出張で、スタッフたちと日本語を使わず
に過ごしたのは初めての経験でした。
初期の頃は英語を話せる日本人スタッフがいましたし、
昨年までは大森シェフが11年間Irohaにいました。

今年はプラヤンシュと日本語で会話しながら経営して
いましたから、彼が休んでいたため、日本語を話さない
中での出張になったのです。

インド人のナレンドラシェフとクリスマスケーキや
シュトーレン、パリブレストのデコレーションなどの
打ち合わせ、価格設定、SNSへの写真投稿などを打ち
合わせ、やるべきことは為され、お客様からの予約も
順調に入ってきています。
最後の2日間は経理担当も戻り、財政的な打ち合わせ
も滞りなくできました。
私の英語力が急に上がった訳ではありません。
英語を理解できなければ、経営ができないという私の
思い込みを手放したからこその成果でした。
長年一緒にやってきたスタッフたちの考えていること
は言葉を介さずとも分かりますし、私が何を言いたい
かも彼らは分かってくれています。
そういう信頼関係を根気よくつくってきたからこそ
分かり合えたのだと思います。

最終日にプラヤンシュがお店に来ました。まだ体調が
十分ではないのに、私が困っているのではないかと
心配して出社してくれたのです。
彼に大丈夫でしたかと聞かれ、「プラヤンシュがいな
くても、何の問題もなかったよ」と笑顔で応えたら、
「それは良かったです。安心しました」と彼も笑顔で
応えてくれました。
『日本語が話せるプラヤンシュがいなければIrohaの
経営ができない』となると、お店の経営が制限されます。
誰がいても、同じサービス・経営ができることが理想
ですが、それができつつあるIrohaの現状を見て
誇らしく思えました。

間もなく2025年も終わりますが、皆様にとって2026年
が素晴らしい年になることを祈っています。
そして、ポリオ根絶へ大きな前進があることを祈念して
います。

2026年も良いお年をお迎えください。 

トナカイが 信頼と想いを乗せて やって来た

今回も川柳を詠んでみました。

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○メールマガジン「ポリオプラス通信~ポリオのない世界へ」
発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
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