Polio Eradication News==============
ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ
第51号 2024.9.15
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国際ロータリー第2750地区ロータリー財団委員会に
所属するポリオプラス委員会の新たな試みとして、
毎月15日にメールマガジンを発行することにしました。
国際ロータリーの最優先事項はポリオ(小児麻痺)
根絶です。
多くの方たちにポリオの現状とこれまでの活動を知って
頂きたく、情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
9月1日からガザ地区でポリオワウチン投与のため、
イスラム組織ハマスとイスラエル双方で停戦が合意
されました。
https://jp.reuters.com/world/
戦闘停止は現地時間午前9時から午後3時までで、
3日間で予想を超え18万をこえる子どもたちに
経口生ワクチン接種できたとのことでした。
この後、南部、北部でそれぞれ3日間実施し、
対象者65万人にワクチン接種をする計画です。
昨年10月からイスラエルの攻撃が始まって以来、
一度も停戦合意することができなかったのに、
7月にガザ地区でポリオウィルスが検出され、
生後11ヶ月の乳児にポリオの発症が確認されたとの
報告を受け、迅速な停戦が合意されました。
これまで何度も停戦提案されたのにも関わらず、合意
に至らなかったのに、なぜ今回は停戦合意したのだろう
と素朴な疑問が湧きます。
皆さんはどのように感じましたか?
私が思うに、子どもたちの未来がかかっていたからでは
ないでしょうか。
ご承知の通り、ポリオは5歳未満の子どもが罹患する
確率が高い病気です。
日本でも、4種混合ワクチンという形で不活化ワクチンを
打ちますので、ご存じの方も多いと思います。
ガザ地区では乳幼児が罹患したとのことで、私も大変
ショックを受けています。
残念ながらポリオは一度罹患すると完治しない病気です。
ですので、罹患した子どもは一生障害を抱えて生きていく
ことになります。
25年もポリオの発症がなかったパレスチナでこれ以上
ポリオ発症が拡大すると、イスラエルにとっても、
ハマスにとっても国際世論からの批判が大きくなるので、
停戦合意に至ったのではないでしょうか。
今回のウィルスはcVDPV2(伝播型ワクチン由来ポリオ
ウィルス2型)というワクチン由来のポリオで、野生株
ではなかったとのことでほっとしています。
これまでの経験から、ワクチンの接種率が下がると、
集団免疫が損なわれ、発症が拡大することが分かって
います。
大事なことは、停戦中に安心してワクチン投与活動が
でき、免疫を維持することです。
そして必要なことは、「子どもたちの未来を守るという
強い私たちの意志」なのです。
以前、ポリオプラス通信第26号で書いたことがある
(https://rid2750.org/news/%e3%
2019年にアフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師は
こう言っています。
「平和とは、人々が依存し合って生きていくことだ。
(中略)平和とは、理念ではなく、現実の力なのだ」と。
ポリオ根絶は、世界平和なしには成し得ないと確信して
います。
今回の停戦合意は世界中のメディアが報道しています。
1985年からポリオ根絶活動をしているロータリーの
実績を今こそ知ってもらう大きなチャンスです。
10月24日の世界ポリオデーに向け、ポリオ根絶を
知ってもらう機会としてアドボカシー活動をして
いきましょう!
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【国際ロータリー第2750地区 世界ポリオデー2024のお知らせ】
ポリオ根絶活動として、国際ロータリー第2750地区
(東京・グアム諸島)では、10月20日(日)にアーク・
カラヤン広場にて「世界ポリオデー2024」を開催します。
ポリオ根絶ウォークラリーや、トークショー、地元
中学生によるブラスバンドの演奏、フード&ドリンク
コーナーなど企画していますので、一般の方やお子様を
連れてお越しください。
■日時
2024年10月20日(日)13:00開場
■場所
アークヒルズカラヤン広場
https://www.arkhills.com/
■内容
●タイムライン
開 場 13:00
ウォークラリー 13:00-14:00
地元中学生による
ブラスバンド演奏 14:00
来賓挨拶&トークショー 14::30-15:30
閉 場 16:00
●トークショーについて
これまでロータリークラブがポリオ根絶活動に従事して
きた内容や、ポリオ根絶に貢献してきたビル・ゲイツ氏、
尾身茂医師の映像などを交え、ポリオサバイバーが集う
ポリオの会の皆さん、ポリオを知らないローターアクト
たちとのトークショーを企画しました。
ポリオの歴史やロータリーとポリオ根絶の関わり、ポリオ
の根絶の現状を知って頂く機会にしたいと思います。
●カラヤン広場では
ロータリーメンバーによる各ブースや縁日開催、ドリンク
&フードコーナーを設けたり、「あらいぐまラスカル」
も会いに来てくれます。
当日皆さまとお会いできることを楽しみにしています。
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〈ポリオクイズコーナー〉
これまでの活動や現状をクイズ形式で
お伝えするコーナーです。
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《問題》
2024年のガザ地区でのポリオワクチン接種率はどの
程度でしょうか。
A. 90%
B. 85%
C .80%
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《答え》
正解はA.90%です。2022年は99%でしたが、近年90%
未満になっていて、危険な水準でした。1回目の接種から
4週間後の追加接種がガザ地区で成されるのかを注目して
います。
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【ポリオ罹患者数】
2024年9月9日現在の野生株のポリオ罹患者状況は
以下の通りです。
パキスタン 16名
アフガニスタン 18名
モザンピーク 0名
合 計 34名
8月6日の罹患者数は23名で、1ヶ月で11名増加しま
した。増加の流れが止まりません。
定期予防接種を継続しないと、益々罹患者数が増大します。
私たちは神に試されているように感じます。
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【編集後記】
ポリオプラス通信を読んで頂き、ありがとうございます。
先日父と一緒に韓国へ行って来ました。
20年以上前から父と母が朝鮮人参を買いに毎年韓国へ
行っていましたが、コロナ禍で3年ほど中断したことと、
父が高齢になったため、昨年から私と行くことになり
ました。
今回はどんな旅になるかと思っていましたが、実際には
父が杖をつきながら懸命に歩く姿に感動しました。
昨年よりも歩くスピードも遅く、羽田空港駅から航空
カウンターまでの道のりが遠く、ゆっくりゆっくり歩く
姿が愛らしくもあり、印象的でした。
歳を重ねるとはこういうことか、と父が教えてくれます。
自分でできることは何でもする父ですが、できることが
年々減っているような気がします。
自分で何でもやりたい人なので、彼のやるがままに任せ
つつ、できるようにフォローしています。
歳を重ねると、童心に戻ると言いますが、父は景色を見て
思ったことを何でも口にするようになりました。
独り言が多くなりましたが、それに引っかかることもなく、
ただそのままにしておくと、おかしそうに笑ったり、
びっくりして驚く姿が子どものように見えます。
そうかと思うと、椅子に座りながら寝ています。
そういう自由に自分を表現している姿は、時に自由すぎて
イラッとする時もありますが、そのままにしています。
今回の旅では、父が好きなようにできるようサポート
するのが自分の役割だと思ったからです。
いつも朝鮮人参を購入しているお店に入ると、昨年は
心臓病で入院していた店のご主人が立っているのを見て、
父は嬉しそうに話しかけていました(双方ともに母国語
しか話せないので、言葉は通じていませんが、間違いな
くお互いを称え合い、喜んでいるのが伝わりました)。
ともに杖をついていますが、頭は冴えています。
2人が毎年会って、お互いを称え合うことを来年も
続けてもらいたい。
2人の姿を見ると、そう感じずにはいられませんでした。
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最後に・・・
このメールマガジンが、ポリオ根絶を成し遂げる情報共有の
場ともなるよう、読者の皆さんとともに歩んでいきたいと
思います。
ぜひ皆さんのご意見・ご感想をお聞かせください。
また、お知り合いの方たちへもこのメールマガジンをご紹介
頂けたら幸いです。
アーカイブはこちらからご覧ください。
https://rid2750.org/news/
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○メールマガジン「ポリオプラス通信~ポリオのない世界へ」
発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
ポリオプラス委員会
polioplus2750@gmail.com
アドレス変更・解除は
https://www.mag2.com/m/
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