Polio Eradication News==============
ポリオプラス通信 〜ポリオのない世界へ
第65号 2025.11.15
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これまで60号を発行しましたが、新年度の7月を迎えるに
あたり、内容を少し変えます。
皆さんがポリオ根絶を身近に感じられ、ポリオ根絶を
通して、社会課題に向き合えるように。
誰でも気軽に読める内容を心がけていきます。
ポリオの現状とこれまでの活動を知って頂きたく、
情報発信します。
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皆さん、こんにちは。
先日私が所属する東京愛宕ロータリークラブで、コロナ禍
で陣頭指揮をとった尾身茂先生をお招きして
「エンドポリオ夜例会」を開催しました。
オープン例会にして、ゲスト4名、来賓6名、全国から
ビジター17名、そして愛宕のメンバー22名の総勢49名
が集まりました。
尾身茂先生はコロナ禍では毎日テレビに出演していました
から、知らない人はいないと思いますが、実は2000年に
WHOの西太平洋地域の事務局長をされていました。
その時にこの地域でポリオ根絶宣言がされたこともあり、
ポリオ根絶のためにロータリーがどれほど貢献したかを
知っている数少ない方です。
講演で仰っていたのは、WHOが資金繰りに困っている
時に、ロータリーが資金を投入してくれたことが呼び水
になって、日本を始め各国が次々と資金提供をしたとの
ことで、ロータリーに感謝しているとのことばを聞き、
胸が熱くなりました。
1985年からロータリーはポリオプラス・プログラムを
始め、1988年にはWHO・UNISEF・CDCと共に、
世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)を組織し今に至ります。
しかし、残念ながらポリオ根絶におけるロータリーの
貢献についてはほとんど報道されていません。
そのことを声を大にして言ってくださる尾身先生のことば
は私たちロータリーメンバーには力付けとして響きます。
後半は尾身茂先生、ポリオ罹患者が集い情報ネットワーク
となっているポリオの会の小山万里子代表、END
POLIO NOW コーディネーターを長く務め、最近は
パキスタンでのポリオワクチン投与活動の日本団長を
務める松本祐二パストガバナー、そしてインドやパキス
タンでポリオワクチン投与活動をしてきた田中靖
ガバナーと4人でパネルディスカッションをしました。
その中で、尾身茂先生が「ロータリーがこれまでと同様
に資金集めを担当するのが大前提として、ポリオ常在国
のパキスタン、アフガニスタンで実際に活動している
団体と連携することが大切だ」と仰っていたのが印象的
でした。
これまでロータリーは資金調達など裏方の役割を担って
いましたが、これからはもっと前に出て、既に現場で活動
しているグループと一緒に行動すべきだという力強い
ことばは、私の心に響きました。
そしてポリオの会の小山代表は、「日本にもワクチン
由来でポリオに罹患した高校生がいます。この子が寿命
を全うするまで、日本にはまだポリオ患者がいることを
忘れないでほしい」という切実な訴えが、じんと胸に
伝わってきました。
松本先生は、ロータリーが世界中の子どもたちと約束し
たポリオ根絶を最後までやり切る、みんなに見せること
が重要だと仰っていました。
ここまでやってきて、ラスト1インチを埋めるのは
ロータリーの責務だと私は感じています。
田中ガバナーは「世界ポリオデーは私たちロータリアン
がロータリーの最優先事項であるポリオ根絶について
向き合う機会です。だからこそ、今回はイベントをする
のではなく、各クラブがエンドポリオ例会を開催する
ことに意義がある」とおっしゃいました。
短い時間でしたが、尾身先生を中心に皆さんがそれぞれ
の立場でポリオ根絶の意義を語る姿は参加者に訴える
ものがあったと思います。
皆さんにとっての世界ポリオデーはいかがでしたか?
ロータリーは資金を提供する団体としてだけではなく、
他団体を巻き込み、自らリーダーシップを発揮する段階
に来たと感じました。
ポリオ根絶まであと少しです。
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【ポリオミニ知識(5)】
ポリオの歴史や、ロータリーとポリオの関係など、
ポリオにまつわるミニ知識を掲載します。
ポリオに関する発見をお楽しみください。
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今回はポリオワクチンの歴史についてお届けします。
ポリオワクチンの歴史は、ポリオという恐ろしい病気の
恐怖から人類を解放した、公衆衛生上の大きな成功物語です。
その歴史は主に、不活化ポリオワクチンと、経口生ワク
チンの2種類のワクチンの開発によって形作られました。
ポリオワクチンを最初に開発したのは、アメリカの
ウイルス学者であるジョナス・ソーク博士です。
1953年に開発されたソーク・ワクチンは不活化ワクチン
で、このワクチンが導入されると、アメリカ国内のポリオ
患者数と死亡者数は激減し、世界中に「ポリオを予防
できる」という希望をもたらしました。
ソーク・ワクチンの登場後、さらに簡便でポリオ根絶
に向けた大規模キャンペーンに適したワクチンが開発
されました。
それがアルバート・サビン博士によって開発された
経口生ワクチンです。
毒性を弱めたワクチンですが、稀にワクチン投与での
ポリオ罹患者が出てしまうデメリットもありました。
このリスクを排除する新たな経口生ワクチンがゲイツ
財団の支援のもと、開発され投入されています。
安全性を高めた新しい経口生ワクチンによって、ワクチン
由来でのポリオ感染を激減させるツールとなっています。
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【ポリオ罹患者数】
11月11日付野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。
アフガニスタン 6名
パキスタン 29名
合 計 35名
10月から罹患者がアフガニスタン3名、パキスタン1名
の合計4名増加しています。
昨年同時期と比べると、罹患者は47名減少しています
ので、これ以上増えないことを祈るばかりです。
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【編集後記】
いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
先日初めて家を購入したことは先月の編集後記で書かせて
いただきました。
その後ですが、今妻との会話で新しい住まいについて
話すことが増えています。
私たちはそれぞれがライフワークを持って取り組み、
地域に根差した活動をしています。
お互い出張も多く、これまでゆっくり話す時間を取れ
ませんでしたが、家を購入すると決めてから、引越しや
家具、電化製品の購入などそれぞれ分担を決める中で、
話し合うことが増えました。
どんな生活にしようかと2人で話しています。
当分は東京に拠点を置きますが、いずれ庭に畑を作って
家庭菜園をしたり、テントサウナを置いてサウナを満喫
したりと妄想しています。
2人での共同作業がどのように展開するかはまだ分かり
ませんが、お互いにとって憩いの場である家にしたい
と思っています。
いよいよ12月上旬に引渡しを受けます。
どんな茅ヶ崎ライフになるのか今から楽しみです。
憩いの場 ゼロから創る 茅ヶ崎ライフ
今回も川柳を詠んでみました。
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○メールマガジン「ポリオプラス通信〜ポリオのない世界へ」
発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
ポリオプラス委員会
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