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2025年8月 1ドル 149円

お知らせ・活動・ご案内

ポリオプラス通信 第62号

Polio Eradication News===============

ポリオプラス通信 ~ポリオのない世界へ 
第62号 2025.8.15

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これまで60号を発行しましたが、新年度を迎えるに
あたり、内容を少し変えます。
皆さんがポリオ根絶を身近に感じられるように、ポリオ
根絶を通して、社会課題に向き合えるように。
誰でも気軽に読める内容を心がけていきます。
ポリオの現状とこれまでの活動を知って頂きたく、
情報発信します。

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皆さん、こんにちは。
今年の夏は40℃を超える地点が各所に見られ、また集中
豪雨などで避難を強いられている地域もあり、年々地球
が受けている気候変動をまざまざと感じます。
皆さま、熱中症も気になるところですので、お身体を
ご自愛ください。

さて、今回は世界ポリオ根絶推進活動※1(GPEI)の資金
調達についてお伝えします。

https://www.endpolio.org/ja/working-together-for-a-polio-free-world

1988 -2023年までの資金の累計は、ロータリーやビル&
メリンダ ゲイツ財団などの民間機関から80億ドル
(39%)、公的部門から172億ドル(61%)を占めて
います。
ロータリーはアドボカシー活動を通じてGPEIに対する
公的機関からの援助を確保する上で重要な役割を担って
現在に至ります。

この結果、1988年当初は135カ国35万件の野生型
ポリオ症例が報告されていましたが、現在は99.9%減少
しています。
そしてポリオには1型2型3型の3つの野生株がありま
すが、2つが根絶され、現在は1型のみになっています。

また他の感染症の制御に役立つ公衆衛生システムと、
疾病サーベイランスシステム(監視体制)の構築によって、
新型コロナ禍ではアフリカ等での迅速なワクチン投与に
寄与しました。

しかし、ロータリーがポリオプラス・プログラムを
始めてから今年で40年になりますが、未だに世界で
ポリオ根絶には至っていません。

毎年のワクチン投与費用もバカになりません。
ポリオが根絶されれば、この資金を別のウィルスの
ワクチン投与資金に回せます。

8/5付野生株ポリオ罹患者数は20名です。
罹患者数がゼロになり、3年間持続すると世界でポリオ
根絶宣言がなされる可能性が一気に高まります。

20症例を0にするには、更なる努力が必要です。
私たちがこれまでGPEIに資金調達をし、政府に対して
働きかけてきたことが大きな成果を生み出してきました。

もう目の前まで来ているポリオ根絶というロータリーの
悲願に向け、みんなで尽力していきましょう。
ポリオ根絶まで、本当にあと少しです。

 ※1その他にGPEIには世界保健機構(WHO)、
国際児童基金(UNICEF)、米国疾病予防管理センター
(CDC)、ゲイツ財団、GAVI(ワクチンアライアンス)
が含まれます。

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【ポリオミニ知識(2)】
ポリオの歴史や、ロータリーとポリオの関係など、ポリオ
にまつわるミニ知識を掲載します。
ポリオに関する発見をお楽しみください。

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ロータリーがポリオ根絶に乗り出したのは、1979年に
フィリピンで600万人以上の子どもにポリオワクチンを
投与するプロジェクトを開始したことがきっかけです。
これを機に、ロータリーはポリオ根絶を最優先事項として
掲げるようになります。

1985年、ロータリーはポリオ根絶を目指す「ポリオプラス
・プログラム」を開始しました。これは、民間団体による
国際的な公衆衛生イニシアチブとしては史上最大規模の
ものでした。

当初の募金目標は1億2,000万ドルでしたが、ロータリアン
たちの尽力により、この目標を大きく上回る2億4,700万
ドルが1988年までに集まりました。

さらに1988年には、ロータリーと世界保健機関(WHO)
が中心となり、「世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)」を
立ち上げました。

これには、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)や
ユニセフなども参加し、ポリオ根絶に向けた国際的な協力
体制が構築されました。

ロータリーは資金調達やボランティアによる予防接種活動、
そして政治家や政府への働きかけ(アドボカシー)を継続
して行っています。

ポリオ根絶は、ロータリーが世界の子どもたちに約束した
「ポリオのない世界」を現実のものとするための最大の
奉仕活動の一つであり続けています。

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【ポリオ罹患者数】
8月5日付野生株のポリオ罹患者状況は以下の通りです。

アフガニスタン   2名
パキスタン   18名
合 計            20名

7月からパキスタンの罹患者が4名増加しています。
昨年同期比で2名ほど増加しています。
パキスタンでは、昨年ここから一気に増加しました。
このまま何とか微増で落ち着いてほしいと思います。

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【編集後記】

いつもポリオプラス通信を読んで頂きありがとうございます。
先日のインド出張時にブッダガヤへ行って来たことは
前号で書きました。
https://rid2750.org/notice/polio-61/

今回は7月26日にグルガオンというデリー近郊の都市で、
「NPO法人結び手」代表の福岡洸太郎さんと日本人学校
の有志の先生たちと一緒に青空教室へ行って来ました。

場所に到着するなり、何人かの子どもたちに手を引かれ、
笑顔で歓待されました。ブッタガヤで会った子どもたち
以上にオープンでフレンドリーでした。

純粋に私たち日本人が珍しいのか、質問攻めされました。
30人ほどいる子どもたちは興奮冷めやらぬ様子でしたが、
学校の先生たちは慣れているようで、その場で手遊びが
始まったり、一緒に勉強したり。

子どもたちは何をしても楽しそうで、携帯を向けると
セルフィと言って写真を撮ってとアピールしていました。

30分ほど一緒にいて、その日の教室は終了になりました。
その間私たちが来ても黙々と勉強している子どもが
2人いました。

目が合うと、はにかみながら勉強しています。
路上生活から抜け出すのはこういう子たちかもしれない
と感じました。

福岡さんは「こうやって人間関係をつくって、子ども
たちに勉強する楽しさが伝わって、1人でも多くの子たち
が現状から抜け出すことができたら嬉しい」と言います。

路上生活から抜け出す子どもたちが増えてくると、真剣に
勉強に向き合うようになるのではないでしょうか。

教室が終わると、私たちの手を引きながら、嬉しそうに
自分が暮らしているテントの場所に連れて行ってくれ、
両親を紹介してくれます。
彼らには恥ずかしいという感覚はなく、純粋に家族を
紹介したかったのだと思いました。

親たちは福岡さんと真剣に話しています。
突然警察が来て、場所を追い出されることもしばしば
あるようです。

それでも、結局この場所が居心地よく、また集まって
くるのだと。
路上には30を超えるテントや簡易住居がありました。

決して悲観的ではない、子どもたちの「今」を生きている
姿に心を揺さぶられる体験でした。
どうであっても毎瞬を楽しんでいる子どもたちを見て、
小さくなっている自分に気づきました。

いつ立ち退かされるか不安に思っている大人が多い中、
子どもたちのワクワクして楽しそうな在り方が私の心の
琴線に触れたのです。
この人たちを守りたい。

この活動をし続けている福岡さんと共に、子どもたちに
学ぶ歓びを伝えようと決意しました。

今「NPO法人結び手」はブッダガヤ周辺での洪水被害
緊急支援クラウドファンディングを行なっています。
ぜひご支援をお願いいたします。
https://syncable.biz/campaign/7988

いま生きる 子どものみらい 無限大

今回も川柳で今の気持ちを表してみました。

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発行責任者 柳 邦明
国際ロータリー 第2750地区 ロータリー財団
ポリオプラス委員会
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